米粉団子で豊作願う「たのもさん」 西条
豊作を願って米粉の色団子で人形や動植物などを作る伝統行事「たのもさん」が8日、愛媛県西条市周布の周布公民館であり、近くの周布小学校の3年生22人が地元の老人クラブの会員らに教わりながら細工を楽しんだ。
東予市誌などによると、昔は旧暦8月1日の前日、各家庭で米粉を練って蒸した後に着色。膳の周囲に家族が集まり、さまざまな細工を施しながらだんらんした。膳の縁に並べた人形の「つまみたのもさん」の輪の中に長寿を祈る鶴亀などを置いて床の間に飾り、旧暦8月1日当日は近所を巡って出来栄えを見物した。焼いて食べることもあったという。
周布地区では40年ほど前から、公民館が9月上旬ごろに小学生や高齢者らを集めて実施。8日は、周布地区老人クラブの会員約20人が午前中に赤・黄・緑・白の米粉の団子を準備し、午後からは子どもたちに指導しながら皮をむきかけのミカンやツバキの花などを手際よく仕上げた。